人獣裁判

友成純一

1987/小説


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 近頃書店で見かけなくなった天才異端作家・友成純一氏の初期の最高傑作である。  サド侯爵はその幼少時代、叔父のサド神父のもとですごした。この聖職者でありながら放蕩者であったサド神父との生活が、サドの後の人生に多大な影響を与えたということは想像にかたくない。しかし、そんな事実は忘れて、とにかくこの作品の死にたくなるほど異常な世界にどっぷりと漬かってみよう。当時アル中であった著者が自ら”イカレポンチ”と称する異常な精神状態が前編生き生きとあなたの脳髄を直撃するだろう。80年代、一人の名もない作家の頭脳に巣くったガンダムは、こんな凄い作品を産み出していたのだ。有り余るほどの豊かな才能と、のびのびとした想像力によって描かれた最高にかっこいいサド像。そしてとどまるところを知らず暴走する残酷世界の地獄絵図。血も涙もない方以外は、絶対に読まないでください。

(ザッピー浅野)


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